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英国の児童書に刮目 [読書]

体の中.jpg 「きみの体の中」 きみの体はどうやって病気とたたかうのかな? R.ウォーカー/岩田健太郎訳、保育社、2016
 ISBN:978-4-586-08549-1

 本のサイズ、言葉の選択と表現などから対象とする年齢層が判りかねた。
 大型で一見小児向けの絵本のように思われるが、内容がレベルの高いものである。
 出版社のサイトに依れば「小学校高学年~大人」とある。 「病気やけがに体がどうやって戦っているかを、物語風の構成・美しい3Dカラーイラスト・詳細な解説文で紹介。体の仕組みに興味を持ったお子さんにピッタリ。」

 朝起きてから就寝までの一日の間で遭遇する症状・外傷などについて、体の内外で起きていること、それに対する防御作用、予防など16例が紹介されている。間に「コラム」として補足情報が、巻末には用語の説明と索引も付いている。

 取り上げられた対象は主として急性期の症状で、さらに病気とは言えないが予防としての生理現象である排尿・発汗・睡眠など。主となる情景が見開きに描かれ、それに対応する反応が経時的に小さい枠ながら取り上げられており、素晴らしい構成だ。

 対象を大人まで拡大するなら、糖尿病・高血圧・高脂血症・がんなどの慢性疾患や重大な亜急性疾患などが取り上げられていないことだ。とは言え、本書の内容は大人にも十分満足できるものだ。

 原書出版元のサイトでは対象は8~12歳とある。従って、日常遭遇する事例を取り上げているのだと納得する。それにしても内容が高度だなぁと感心する。

 揚げ足を取るつもりはないが、訳者のことば、では「じゃない・・・」の繁用が読みづらさを感じる。はじめに、ではきちんとした文章なのだが。
 あと、気になったのが14ページコラムで海綿骨の強度の説明で例えとして「ハチミツみたいな形は・・・」とあるが、蜂の巣(あるいはそのハニカム構造)ではないのだろうか。糸を引いたような状態を「ハチミツ」で表しているのだろうか?日本ではレンコンの方がなじみ深いように思えるが。

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