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少し古いが [読書]

科学は大災害を.jpg 「科学は大災害を予測できるか」、フロリン・ディアク /村井章子訳/川島博之・解説 、文藝春秋社、2010
 ISBN:978-4-16-372250-4

 書名の問いかけに対する回答は目次に簡潔に示されている。「完全な予測モデルは今のところ存在しない」。
 ただ、「すでに被害を抑えることには成功している」については、その部分もあるが、そうとも言い切れない部分もあると思う。大きな原因は人々の行動に関する予測モデルにおける因子(データ)が不十分ではないか。

 原著の発行が2009年10月であるが、それ以後で状況が進んだとも思われない。

 因みに目次は
  まえがき 数学と科学の交差ポイント
  第1章:自然災害
    ハリケーン(台風)の予測は、実物の観察からモデル方程式を利用する手法へ洗練を見せ
    た。だが、微細な初期情宇検の差異が欠格に大きく響くことが明らかになる。
  第2章:気候変動
    二酸化炭素濃度上昇が大気の温度上昇につながっていることは間違いない。しかしそれは
    どの程度なのか?将来予測モデルの示すシナリオは未だにバラバラだ。
  第3章:小惑星の衝突
    数万年単位で予測が可能な天文学だが、いつどの小惑星が地球に衝突するかを予測する
    のは、意外に難しい。まずその接近する小惑星を把握しなければならないからだ。
  第4章:金融危機
    膨らんだバブルは、いつ破裂するのか?17世紀のチューリップから現代のサブプライム・
    ショックにいたる謎の解明に、地球物理学者の風雑系のアプローチが灯を点す。
  第5章:パンデミック
    鳥インフルエンザは、いつヒトからヒトへと感染するタイプに進化するのか?シミュレーション
    によって具体的な予測をたてるべく世界中の科学者奮闘している。
  第6章:予測はどこまで可能になったのか
    完全な予測モデルは今のところ存在しない。だが将来を悲観すことはない。すでに被害を抑
    えることには成功している。なにより科学も数学も日々進歩しているのだから。
  謝辞
  主要文献
  解説 誰がカオス理論を敗れるか 川島博之


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