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テーマもさることながら、イラストが素晴らしい [読書]

はかりきれない.jpg 「はかりきれない世界の単位」、米澤 敬 著・日下 明 イラスト、創元社、2017
 ISBN:978-4-422-70107-3

 人や動物の身体、活動、習慣などに由来、日常生活や仕事の上からの必要性、自然現象の説明のため考案され使われていたり、今日では別の単位系(国際単位系)に代わられたりしているものが多い。(特定の職業や趣味の集団でそれぞれの単位が今でも使われているものだろうか)

 本書にはそれぞれの単位で基準となるものにばらつきがあったり、測定対象が物体で無かったり、測定に特殊な機材が必要だったり、感覚的であったり哲学的・思考的なものなどを集めており「はかりきれない」という修飾語を冠しているのだろう。
 本邦を始め、古代中国・インド・欧州そして今日的なものまで50種の単位が取り上げられている。例えば、白長須鯨(しろながすくじら):白長須鯨で取れる油に換算した他の鯨から採れる鯨油量。和裁に使われている鯨尺は鯨の髭の長さに由来する別の長さの単位。
 「白長須鯨」は日本よりも米国で発案されそうな単位だが、添えられている言語は日本語だ。米国ではそのような換算の必要性が無かったのか?

 人々の暮らしの中で必要に迫られ登場した単位の数々に発想の妙や、豊かさを感じる。

 添えられたイラストも素敵だ。

 実用性は?どのようなものを測っていたのか(実例の提示がある例も有るが)。などいろいろ想像する。

 本書は「世界を旅するイラストブックシリーズ」の一冊で、他に「翻訳できない世界のことば」、「誰も知らない世界のことわざ」などがある。因みに「世界のことば」の日本語では「わび-さび、こもれび」などが取り上げられている。

 なお、王の前腕 Konigliche Elle (oはウムラウトo)が目次には腕前となっている。

 イラストの一例:
はかりきれない1.JPG

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