結構いろいろ有るもんだ [読書]
先に「東京スリバチ地形散歩」を記録したが、その時いくつかの不満も指摘しておいた。
その不満が幾分解消される本3冊。
まず、「デジタル鳥瞰 江戸の崖 東京の崖」、芳賀ひらく、講談社、2012
ISBN:978-4-06-269289-2
前書では表題の如く都内の窪地を中心に、付随する斜面や尾根もいくらか触れているが、本書はそのうちの斜面、崖が中心である。
都内の起伏が、航空写真をもとに、「カシミール3D」処理を施し、標高を10倍に強調することで容易に立体視できる点が優れている。
現場の写真も前書と同じサイズでも傾斜が実感できるほどであり、さらに大きな写真もあってわかり易い。
表題にもあるように、現在の姿のみならず、江戸時代の古地図、資料なども添えられ、明治以降東京の凸凹が感知されにくくなった事情も触れている。
以下に本書の目次を:
第1章 江戸の崖 東京の崖
第2章 「最も偉大」な崖――日暮里周辺――
第3章 崖棲み人と動物たち――麻布――
第4章 崖沿いの道と鉄道の浅からぬ関係――大森――
第5章 崖から湧き水物語――御茶ノ水――
第6章 崖縁の城・盛土の城――江戸城――
第7章 切り崩された「山」の行方――神田山――
第8章 崖の使いみち――赤羽――
第9章 論争の崖――愛宕山――
第10章 「かなしい崖」と自然遺産――世田谷ほか――
第11章 隠された崖・造られた崖――渋谷ほか――
最終章 愚か者の崖――「三 ・一一」 以後の東京と日本列島――
次の2冊はシリーズで、基本は「東京スリバチ地形散歩」と同じ地形図であるが、彩色に工夫がある点、判型が大きく(B5)、対象を絞っているため非常にわかり易い。
先ず、「5mメッシュ・デジタル標高地形図で歩く 東京凸凹地形案内」、今尾恵介 監修、平凡社、2012
ISBN:978-4-582-94548-5
0メートル地帯から、海食崖、坂道、尾根筋、スリバチと前2書の総合版とでも言える。
表紙を開くと見開きで「地形用語集」、次いで「王寺駅付近・飛鳥山」の鳥瞰写真が。続いて目次、編者の序とも言える案内があって区部のデジタル標高地形図に本書で取り上げる地域が示されている。
各章のデジタル標高地形も大きく、その付近の散策地図と高低差を示す切断図面が。これは「東京スリバチ地形散歩」の谷間直線的に切断した模式図ではなく蛇行した道筋に沿った面で描かれている点が現実的である。さらにコラムとして山手線の高低や、各地にまつわる物語などもある。
挿入写真は必ずしも大きくはないが、凸凹が実感しやすい。
取り上げられた12のモデルコースは
001_目黒、五反田、品川……江戸の大名屋敷は、今もブランド住宅地
002_六本木、麻布……山の手の“谷”と“窪地”を行く
003_四谷、市ヶ谷……坂を上って、また下りて。都心の、屋根と谷と窪地
004_雑司が谷、音羽……浅い谷がいくつも入りこみ風情のある町並みを形成
005_渋谷……廃川跡歩きも楽しめる魅惑の凸凹エリア
006_神田、御茶ノ水、本郷……本郷台を断ち切って掘られた御茶ノ水の人口渓谷
007_日比谷、銀座、日本橋……入江の東の砂洲に築かれた繁華街。かつては海だった地域の
微妙な高低差
008_新宿、大久保……意外な高所、西新宿からその名にふさわしい、大きな窪地へ
009_上野、谷中、根津、千駄木……上野の山の海食崖と「古石神井川」の谷
010_浅草、向島……隅田川沿いの地形バラエティ
011_東陽町、南砂町……隅田川以東のゼロメートル地帯。埋め立てが生んだ、人口低地
012_下北沢、明大前……川と上水が生み出す淀橋台の屋根と谷
シリーズ2冊目(表紙は省略)
「5mメッシュ・デジタル標高地形図で歩く 東京凸凹地形案内2」、今尾恵介 監修、平凡社、2013
ISBN:978-4-582-94553-9
今尾恵介の「東京地形散歩」第2弾! 国分寺崖線、赤羽団地、中央線荻窪など気になる10エリアの凸凹を徹底踏破。横浜・名古屋・大阪等の遠征篇、東京「崖」探検、国土地理院潜入ルポなど見どころ満載!(平凡社HPより)
目次、序についで見開きで神楽坂にある「赤城神社裏の崖」写真が圧巻。続いて、前書より広域で都下を含むデジタル標高地形図に本書で取り上げる地域が示されている。ここで、「目白・落合」と「王寺・滝野川」のページ記載が逆、校正ミスか(見開きの目次では正しい)。
何分関西在住のため東京は不案内であるが、「落合」は誰だったかの絵画「下落合」によって、地名を知っていたのだが、都心を離れた郡部かと思っていた・・・なんと!
ページの都合かどうか判らないが、都下を外れて首都圏・名古屋・大阪の地形も収録されている。大阪はかつては「大坂」と称されていたが、南部から突き出た上町台地意外に凹凸は乏しく、坂らしい坂はこの台地を取り巻く坂ぐらい。
明治になって現実を恥じて阜偏に変えたのかと思いきや、別の理由で変更したのだそうだ(出典を失念、残念)。
その不満が幾分解消される本3冊。
まず、「デジタル鳥瞰 江戸の崖 東京の崖」、芳賀ひらく、講談社、2012
ISBN:978-4-06-269289-2
前書では表題の如く都内の窪地を中心に、付随する斜面や尾根もいくらか触れているが、本書はそのうちの斜面、崖が中心である。
都内の起伏が、航空写真をもとに、「カシミール3D」処理を施し、標高を10倍に強調することで容易に立体視できる点が優れている。
現場の写真も前書と同じサイズでも傾斜が実感できるほどであり、さらに大きな写真もあってわかり易い。
表題にもあるように、現在の姿のみならず、江戸時代の古地図、資料なども添えられ、明治以降東京の凸凹が感知されにくくなった事情も触れている。
以下に本書の目次を:
第1章 江戸の崖 東京の崖
第2章 「最も偉大」な崖――日暮里周辺――
第3章 崖棲み人と動物たち――麻布――
第4章 崖沿いの道と鉄道の浅からぬ関係――大森――
第5章 崖から湧き水物語――御茶ノ水――
第6章 崖縁の城・盛土の城――江戸城――
第7章 切り崩された「山」の行方――神田山――
第8章 崖の使いみち――赤羽――
第9章 論争の崖――愛宕山――
第10章 「かなしい崖」と自然遺産――世田谷ほか――
第11章 隠された崖・造られた崖――渋谷ほか――
最終章 愚か者の崖――「三 ・一一」 以後の東京と日本列島――
次の2冊はシリーズで、基本は「東京スリバチ地形散歩」と同じ地形図であるが、彩色に工夫がある点、判型が大きく(B5)、対象を絞っているため非常にわかり易い。
先ず、「5mメッシュ・デジタル標高地形図で歩く 東京凸凹地形案内」、今尾恵介 監修、平凡社、2012
ISBN:978-4-582-94548-5
0メートル地帯から、海食崖、坂道、尾根筋、スリバチと前2書の総合版とでも言える。
表紙を開くと見開きで「地形用語集」、次いで「王寺駅付近・飛鳥山」の鳥瞰写真が。続いて目次、編者の序とも言える案内があって区部のデジタル標高地形図に本書で取り上げる地域が示されている。
各章のデジタル標高地形も大きく、その付近の散策地図と高低差を示す切断図面が。これは「東京スリバチ地形散歩」の谷間直線的に切断した模式図ではなく蛇行した道筋に沿った面で描かれている点が現実的である。さらにコラムとして山手線の高低や、各地にまつわる物語などもある。
挿入写真は必ずしも大きくはないが、凸凹が実感しやすい。
取り上げられた12のモデルコースは
001_目黒、五反田、品川……江戸の大名屋敷は、今もブランド住宅地
002_六本木、麻布……山の手の“谷”と“窪地”を行く
003_四谷、市ヶ谷……坂を上って、また下りて。都心の、屋根と谷と窪地
004_雑司が谷、音羽……浅い谷がいくつも入りこみ風情のある町並みを形成
005_渋谷……廃川跡歩きも楽しめる魅惑の凸凹エリア
006_神田、御茶ノ水、本郷……本郷台を断ち切って掘られた御茶ノ水の人口渓谷
007_日比谷、銀座、日本橋……入江の東の砂洲に築かれた繁華街。かつては海だった地域の
微妙な高低差
008_新宿、大久保……意外な高所、西新宿からその名にふさわしい、大きな窪地へ
009_上野、谷中、根津、千駄木……上野の山の海食崖と「古石神井川」の谷
010_浅草、向島……隅田川沿いの地形バラエティ
011_東陽町、南砂町……隅田川以東のゼロメートル地帯。埋め立てが生んだ、人口低地
012_下北沢、明大前……川と上水が生み出す淀橋台の屋根と谷
シリーズ2冊目(表紙は省略)
「5mメッシュ・デジタル標高地形図で歩く 東京凸凹地形案内2」、今尾恵介 監修、平凡社、2013
ISBN:978-4-582-94553-9
今尾恵介の「東京地形散歩」第2弾! 国分寺崖線、赤羽団地、中央線荻窪など気になる10エリアの凸凹を徹底踏破。横浜・名古屋・大阪等の遠征篇、東京「崖」探検、国土地理院潜入ルポなど見どころ満載!(平凡社HPより)
目次、序についで見開きで神楽坂にある「赤城神社裏の崖」写真が圧巻。続いて、前書より広域で都下を含むデジタル標高地形図に本書で取り上げる地域が示されている。ここで、「目白・落合」と「王寺・滝野川」のページ記載が逆、校正ミスか(見開きの目次では正しい)。
何分関西在住のため東京は不案内であるが、「落合」は誰だったかの絵画「下落合」によって、地名を知っていたのだが、都心を離れた郡部かと思っていた・・・なんと!
ページの都合かどうか判らないが、都下を外れて首都圏・名古屋・大阪の地形も収録されている。大阪はかつては「大坂」と称されていたが、南部から突き出た上町台地意外に凹凸は乏しく、坂らしい坂はこの台地を取り巻く坂ぐらい。
明治になって現実を恥じて阜偏に変えたのかと思いきや、別の理由で変更したのだそうだ(出典を失念、残念)。
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